前回作成した「全自動マネーマシン ver1.0」を、
ついにMT5で本格的にバックテストしてみました。
対象通貨は、高金利通貨である EURZAR(ユーロ/南アフリカランド)です。
結論から言うと、結果は右肩下がり。改善の余地だらけという内容でした。
テスト条件
- 通貨ペア:EURZAR
- テスト期間:2021年1月〜2024年12月(約4年間)
- 時間足:H1(1時間足)
- ロジック:MAクロス+ATRによるTP/SL設定
- 取引時間:日本時間17時~翌2時限定
- ロット:0.01固定
テスト結果まとめ
指標 | 数値 |
---|---|
最終残高 | 98,882.60 USD(初期:100,000 USD) |
損益 | -1,117.40 USD |
総トレード回数 | 249回 |
勝率(推定) | 約35~40%(大半が損切り) |
グラフ傾向 | 安定した右肩下がり(以下参照) |

問題点の分析
■ 1. 勝率が低すぎる
エントリー精度が甘く、トレンドのだましで損切りが頻発。
トレンド判定がMAクロスのみでは弱すぎた。
■ 2. TP/SLのバランスが悪い
TP1.5×ATRに対し、SL1.0×ATRだと、勝率5割以下では収益性が出ない。
また、レンジ相場でも突入してしまい、SL連発。
■ 3. 攻め一辺倒で防御がない
DD制御や連敗回避、取引停止条件が一切ないため、ずっとエントリーして負け続ける状態だった。
ログから分かる挙動
実際のログでは、
- 損切りで次々とロスカットされる記録が大量に確認
- TP/SLの値自体は計算されており、エントリーと同時にセットされていた
- ただし、反発の兆候がないのにポジションを持ち続けて負ける展開が多かった
改善に向けた方針
次のバージョン(ver1.1以降)では、以下の改善が急務と判断しました。
- トレンド判定を強化(ATR×ADXなど)
- レンジフィルターの導入(RSI, BBなど)
- 勝率が5割を下回る場合のTP/SL比率見直し
- DDや連敗数による自動停止・回避機能
おわりに
「動くけど勝てないEA」――それがver1.0の結論です。
ただしこれは、重要な学習と分析材料が得られたという点で大きな一歩。
“自作EA”であることの最大のメリットは、どこが悪いかを自分で調べて改善できることです。
次回は、改善版EA(ver1.1)の設計と新ロジック案をお届けします。